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2016年11月25日 (金)

ホイール換算で考えてみませんか?

今回は「ホイール換算レート」について少々。

良く、「スプリングレートはxxkgf/mm」という話をしますね。そしてリヤのスプリングなど、そのレートは同じ様な車種、排気量でも意外とメーカー間で違っていたりします。

どうしてでしょうか?

スプリングレートはkgf/mm、又はN/mmで表されます。スプリングを1mm縮めるのに必用な力で表すわけです。
(Nとkgfは力の単位で1N=9.81kgf/mmという事はご存知の方も多いかと思います)

でも、実際にオートバイやライダーの体重を支えているのはホイールですよね?

だったら、ホイールを1mm動かすのに必用な力がどれだけかも知っていた方が良いですよね?
と、いうわけでホイールを1mmストロークさせるのに必用な力を表したものが「ホイール換算レート」です。

で、これを導き出す為には「レバー比」を考える必要があります。「レバー比」は、例えばリヤで言うならダンパーのストトーク量に対するホイールのストローク量の比になります。

レバー比2ならダンパーストロークが1mmの時ホイールストロークは2mmという事です。
では、「スプリングレート」として考えるとどうなるでしょう?

Photo_2左の様に簡単なモデルで考えてみましょう。

スイングアームピボットからサスまでの距離を1、ホイールまでの距離を1.5とすると、サスが1動くとホイールは1.5動きます。
同時に、ピボット周りのつりあいで考えると、このつりあいは力 X 腕の長さのつりあいになるので

(サスにかかる力) x 1 = (ホイールにかかる力) x 1.5

になり、ホイールにかかる力は

(サスにかかる力)/1.5

になります。

この事から、サスが1ストロークして1の力がかかる時、ホイールは1.5動いて1/1.5の力がかかるので、ホイールが1動いた場合にはかかる力は

1/(1.5 x 1.5)

つまり、サスのスプリングレートをレバー比の自乗で割った物がホイール換算レートということになります。

実際に走行中の車体姿勢を考えるには、このホイール換算レートで考える事がとても重要になって来ます。走行中の車体姿勢は基本的にはこのホイール換算レートによって決まってくるからです。(もちろん車体は常に動いているのでダンパーの影響は決して無視できませんが)
そしてホイール換算レートにはフロンントなら油面、リヤならリンク比が影響してきます。
という事は、常にこれらを一緒に考え、走行中の各局面で調度良い車体姿勢にする為にはこれらとスプリングの影響とを切り分けて考え、狙った動きをしてもらう為には何を変えれば良いかを見極める必要があるわけです。

今のレースはリンクなど触れないものが多いですが、それでもリンク比などを把握し、ホイール換算レートを抑えておけば出来る範囲で今何をすれば良いかがかなり明確に見えてくると思います。

 

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2016年11月16日 (水)

同窓会

10年ぶりにヤマハ時代の同期会に参加してまいりました。
なんと今年で入社30年!皆年を取った...はずなのですが、皆変わっていませんでした。一部の方々の頭頂部を除いて...
中には偉くなった人もいたりして(^^)。Img_20161112_130732

行きは昔の行きつけの喫茶店、インディアンライトへ立ち寄り。マスターは残念ながら既に他界されていますが、奥様が、ご健在で昔のままのお店を切り盛りされています。
なんと、私が以前雑誌の取材を受けた時の記事を壁に貼っていて下さいました。20年近くもお店に伺えなかったのに、気にかけていてくださった事に胸が熱くなります。

せっかく磐田へ行ったのでヤマハコミュニケーションプラザへも。

Img_20161112_152944

TD3, RDの原点です。

ついでに以前住んでいた寮に行ってみたら...駐車場になってた... sad

翌日は昔なじみのハーレー屋さんにお邪魔させて頂き、再びインディアンライトに寄ってから御前崎周りで一路東京へ。

駆け足でしたが、以前皆と会ったのは2007年、10年ぶりの再会を心から楽しむ事が出来ました。

時を経ても、まるで昨日会ったばかりの様な感覚で話が出来る。仲間とは良い物です。 happy01

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2016年11月 9日 (水)

「一度に一箇所」って良く言われるけど?(2)-ダンパーとスプリングの関係

「一度に一箇所」の話その2です。

スプリングを変える時、皆さんはどうしているでしょうか?

交換する時はセット長で合わせてる?それとも1G?
ダンパーはどうしていますか?

スプリング交換の理由もいろいろあると思いますが、一番多いのはサスが動きすぎる、又は逆にストロークが足りない、等ではないでしょうか。
そうすると、前に書いた様に車体目線で「一度に一箇所」を考えると、まず考える事は「何を基準にして何を一箇所変えるか」というところかと思います。

例えば、乗車1Gの位置はOKでブレーキングでフロントが入りすぎるなら、スプリングを変えた後は乗車1Gの位置を測って、前と合わせておくという事。
又は、ブレーキングの時の沈み方は良いけどブレーキリリースした時にフロントが高すぎるよな~なんていう事もあるかもしれません。

そういう時は、計算がちょっと面倒ですが、ブレーキングの時の位置を基準に1G高さを割り出して設定するのもアリかと思います。

大まかな計算方法としては、ストローク量とホイール換算レートから(フロントの場合はエア容量の影響があるのでちょっと厄介ですが)反力を計算しておいて、スプリング交換後も同じ位置で同じ反力が出る様に乗車1G位置を設定するというやり方です。
(余談ですが、この考え方をうまく使うと、たとえばリヤの場合乗車1G位置、ブレーキング時の伸び量、コーナーで荷重がかかった時の沈み量などのバランスをうまく取る事が出来ます。)

で、さらにもう一つ考える事が。ダンパーとの兼ね合いです。
スプリング変更の目的が動的な車体姿勢のコントロールだとしたら、車体目線で「一度に一箇所」を考えると、各車体姿勢をつなぐサスの動きは変えたくないところです。

では、スプリングを変えることでダンパーとの兼ね合いで何が変わるのか?

ダンピングとスプリングの兼ね合いを示す数字に「減衰比」があります。

ダンピングの強さを表す数字に減衰係数と言う物があります。
ダンパーが強く、一度沈んだサスがフワつかづ一発で落ちつく場合の減衰係数を臨界減衰といいますが、これと実際の減衰係数の比が減衰比になります。減衰比が1ならサスは一発で落ち着くわけです。

で、この臨界減衰、これはバネレートの影響を受けるんです。
と、言う事は、バネを変えると減衰比が変わってしまう。

ということは、本当に一度に1箇所ならば、車体姿勢が目的でバネを変えたならば、ダンパーも減衰比が変わらない様に変えた方が良いのでは?という私の考え方です。

大排気量のロードマシンで、データロガーのデータを参考にサスセッティングをしている場合は一発で減衰比を元と同じにするのは難しいでしょう。
けど、小排気量車やモタードなどならサスを押してみながら合わせるだけでもかなり違うと思います。

一見すると、あちこち変えていてとんでもない!と見えるかもしれませんが、本当に車体目線で見たときの「一度に一箇所」ってそういう事だと思うんです。

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