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2010年3月13日 (土)

ダンパーって...

仕事柄、2輪だけでなく4輪のダンパーのチューニングにかかわることもあるのですが、チューニングの考え方や合わせ込み方の違いなど、非常に勉強になりますね。

とはいっても、自分が2輪のサスをチューニングするときはレースやスポーツ走行で、4輪の場合は乗り心地が主体なのでこれが2輪でもツアラーだったりすると同じ様に考えるのかも知れませんけど。

2輪の場合はダンパーを使ってタイヤをいかに路面に食いつかせるかと、ある程度路面の状況を車体に伝えてライダーが接地感を感じることがカギですが、4輪の場合はフワつきは抑えながらも路面の状況をボディーに伝えすぎない様にして乗り心地をキープする事が大切といった感じでしょうか。コーナーの動きもダイレクトにダンパーでタイヤを路面に押し付けるわけではなく、しいて言えば車体のロールの具合を調整する事で2次的に挙動をコントロールしているわけで。

硬い感じもサスが動いてないのかと思ったら実はバネ下でバタバタ動いているのが原因だったりして...

ダンパーって、見た目は簡単ですけど、すごーく奥が深いです...(^^;)

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2010年3月 6日 (土)

も少し横にそれて...1冊の本

今日はスプリングの事を書こうと思っていたらついつい足元にあったこの文庫本に目がとまり...

若松義人氏著 「トヨタの上司は現場で何を伝えているのか」。著者は元トヨタ社員で現在は独立してコンサルティングなどにあたっておられる方の様です。別に自分がトヨタファンだから買ったというわけでもないのですが...

こういった本は「工場の生産改善の指導書では」と思われがちですが、この本はちょっと毛色が違い、モノをどういう角度から見、どういう考え方で無駄を無くし、より良い仕事をしてゆくかの「考え方」について書かれています。読んでみると工場だけでなく、レースをしてゆくうえでもいろいろ参考になる部分があるのです。

曰く、

「2割差では追いつかれる」(1度の効果に満足して立ち止まらない為に。) 「先入観にとらわれるな」 「目的と手段を混同しない」 「失敗の記録をつけておけ」 「言い訳をする頭で実行することを考えよ」 等々...耳の痛い言葉です(;´▽`A``

かくいう私も社会人デビューは某社のIE(インダストリアルエンジニアリング)工場改善要員としてでした。そこでいかに「ムリ、ムラ、ムダ」を無くし、品質を改善するか、といった仕事をしていたのですが、その考え方が意外とその後のメカニック仕事に役に立ちました。ベテランの方から見れば「当たり前」と思われたり、「エーッ、あの手の遅いKeiが~?」と思われたりするかも知れませんがマァ、そこは大目に見てください。

たとえば工具の持ち替えロスを無くす為の工具箱内の工具の向き、1個でも無いとわかるような配置、見ただけでサイズがわかる様な工具のマーキング、又、ソケットなどは通常のものだとホルダーから外すのも、又ホルダーがちょっとずれたりすると戻すのも左手を添えることになりタイムロスになるのでちょっと違うタイプを使ったり、あと、体の動作が最小限になる様にマシンと工具の位置関係を考えたり。それと、これは時間と予備部品が限られたプライベーターだから、との前提ですが予想外の破損で生じるイレギュラーなタイムロスや点検の時間増を避けて、多少の重量増は覚悟のうえで要所に軽合金ボルトを使用しないのもこの頃の考え方が頭にあるからかもしれません。(今は強度に優れたチタン合金ボルトもいろいろありますが、そこは予算の問題で...(^-^; )

マシンを作る際も工具の持ち替えや体勢の入れ替えを最小限にする様ボルトサイズや向きを統一したり、整備にコツがいらない様なレイアウトを工夫したり。部品を作るのに破損モードを頭に置く様になったのもIEの一環でQC(品質管理)関連の問題を担当した時の経験が影響しているかも。

セッティングの時の要素の切り分けなんかもQC手法の中にある要因分析やFTA(問題に対して考えられる原因を「なぜ、なぜを繰り返してツリーの様に切り分けてゆく方法)の考え方が役立ってるかもしれませんね。

ちょっと本の話からそれましたが、時にはこういう本に目を通してみるとマシン作りやセッティング、整備方法に思わぬヒントを与えてくれるかもしれません。

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2010年3月 1日 (月)

ちょいと横にそれて-リコール問題

ここのところすごいですね。T社のリコール問題。アクセルペダルに始まってブレーキの効きの問題まで。

ニュースでは「品質神話の崩壊!」みたいなノリで連日の報道...でも、ちょっと待って。

「品質」って何でしょう?...これはより良い設計をして品質を保証する「設計品質」と、設計通りの物をばらつき無く確実に作ってゆく「製造品質」があります。

さらに設計について言うと、機能を満たす為の「機能設計」、壊れない為の「強度耐久」、壊れても危険な事にならない様な「破損モード」の解析、さらに、コレは機能設計の一部になると思いますが、出来たものをより快適にする為の調整「チューニング」と言ったものがあると思うのですが、なんか昨今の報道はこの辺の区別がはっきりしていない様な。

たとえばアクスルペダルの問題、この前テレビの特集番組を見ていたら何故かフロアマットを2枚重ねて、これがアクスルに引っかかった事例もあるようで。コレは「破損モード解析」の一部、つまりこんな使い方がされた時の最悪ケースが考慮されていたか」と言う問題で単純に全部ひっくるめて「品質」で片付けられない気がするんですよね。

あと、ブレーキの効きが悪い問題...最初は「効きが悪い気がする」と言う苦情、と言っていたのがいつの間にか「効かなくなる苦情」といった報道になってました。この二つは「不快感」というファインチューニング領域の問題と「機能喪失」という機能設計の部分の問題で、全く違う二つの問題です。この辺はきっちりと切り分けをして、事実を報道して欲しいですね。

あと、これは又聞きですが、「雪道で通常のタイヤを履いてブレーキを踏んだら効かなかった」という苦情もあったとか??

ABSはブレーキ踏んで滑ったら滑らない様にブレーキを緩める装置です!(`◇´*)

それとあまり報道されていないようですが、アメリカの聴聞会にまで呼ばれているT社のアクセルペダルを作っていたのはアメリカの部品メーカーだとか?T社だけやり玉に上げていたのでは問題は解決しない気が...

系列を基本としてきた日本の部品メーカーと違って、欧米のメーカーは自分たちの持っている製品ラインナップから顧客の要望にあったものを提供する傾向があり、メーカーと対等の関係を求める傾向があります。さらに言うなら、欧米は歴史の中で経験ベースで製品を煮詰めてきたので、日本のメーカーが安全性に対して細かいデータを求めても「今までこれで大丈夫だったから大丈夫だ!」と突っぱねる事も。(もちろん欧米メーカーの歴史と経験値に基づいた発想と設計にはすばらしいものがあり、これを否定するものでは有りませんが。)

と、言うことで、今回の様なケースでは、もっと部品メーカーも前面に出てきてT社と連携して事態収拾につとめて欲しいな、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

なにはともあれ、早く正確な事実関係が明らかになることと、過剰な報道でユーザーが過剰な不安を持つ事が無い様祈るばかりです。

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